2009/11/29

古代ローマ帝国の遺産展-国立西洋美術館

コンテンツ製作を担当したMと一緒に、ようやく古代ローマ帝国の遺産展へ!Yは仕事のため、欠席。
でも、Mがみんなのためにチケットを用意してくれたので、後日行くとのこと。


さてさて。
展示を一周して思ったのは、古代ローマの、なんというか、富と繁栄のすごさ。生活水準の高さ。
当時から現代までの時代、時代で、たくさんの人々を魅了してきたローマ帝国というものが、どんなものだったかが、展示を通して伝わってきました。もちろん、片鱗ですけど。

展示を観るだけでも、だからローマは滅びたんだ!と思えるようなゴージャスな品々ばかり。


というか。
うぅん?
これってどこかでみたことあるようなデザイン??
とか、そんな装飾が多い?




翻って。
そうか、逆!逆!
皆がこれを参考にしたり、真似したりしてるんだ・・・

ってことは、これまでステキだなぁ~って眺めていたデザインのオオモトがここにあるんだ・・・それって、どうなの?って感じ。えーーッローマ時代以上のラグジュアリーなデザインは、現代にはありえないってこと!?よく雑貨屋さんにおいてある、鹿の頭をかたどった杯、あれってモチーフがこれ(リュトン)!?

なーんか、急速に冷めていくものがあったのも確か。
イタリアという国は特に、ローマから脈々と続くデザインモチーフを持ち続けている気がした。2000年前にイスラエルで生まれた救世主を信じ、2000年前に創られたデザインに影響を受け続ける。すごいことだなぁ・・・

欧州の建築は、少なくとも、ギリシャ・ローマに相当な影響を受けて、というより、当時からの建物がまだまだ現役という意味では、強烈に影響?影響どころか、がんじがらめにならざるをえなくて、そうゆう意味で、全てにおいて先ずはギリシャ・ローマを学べ、と言われるのが、胸に落ちた。


これは、実際ローマに行ったけど、ここまではわからなかった。というか、あの頃はほんと知識なさすぎ。笑
というか、表面しか見られないのも、承知の上ではあったけど。宝飾品とか飾ってある博物館とか行けばよかったかな。ヴァチカンには行ったけど、絵画ばかりだったから飽き飽きだったし。もちろん、ローマの街中がお見本なわけだけど、立派な建物のファサードは、あまりに見慣れすぎて?いや、あまりに正統派かつ王道すぎて、麻痺しちゃったからなぁ。



というわけで、話戻して。
少ない展示、とはM談だけど、かなり堪能。

あと、面白かったのが、硬貨。銀食器が正確な円を描いているにもかかわらず、硬貨はぐにゃぐにゃとした変形なカタマリ。金や銀を溶かしてべたっと型に落とし、上からハンコみたいに押印しただけの代物。しかも、解説に、初期は戦争後の兵士への給与のためだけに硬貨が造られた、とあり。それまでは物々交換だったのか?いずれにしても、現代にも続く戦争と貨幣の関係を思い、苦笑い。


それから。
展示の終わりに、水道弁と水道管が展示してあって、そこで固まってしまった。
ナニコレ。
現代とほとんど変わらないじゃん!
いや、むしろ、ポンペイの水道管の方がもしかしたら、今より技術的に高いのかも・・・お、恐ろしい・・・



Mが担当したVRは、これまた精巧なつくりで、ずいぶんと手間と暇とがかかってるなぁ!という作品に仕上がっていた。現地で指導してくださった方も、出来上がりを見て喜んでいたということだけど、現地でほそぼそと発掘を続けている人にとっても、目に見える形で復元されていくと、感動もひとしおかと。

もしかしたら、この作品を最後に、別なところに拠点を持つかも、と言っていたM。毎回楽しませてもらってるけど、次のところでも活躍できるといいね!応援してます!

2009/11/21

イタリア的、恋愛マニュアル

イタリアに行ったことある人なら絶対楽しめる。

公式サイト

いやはや。
どのエピソードも、イタリア語の応酬がわかるともっと面白いに違いない。


舞台はローマ?ローマって海に近い?コロッセオが出てきたり、最初のエピソードで中国人?の観光客を案内してる広場やなんかから考えると、舞台は多分ローマ。



それにしても、愛にうまくいかない人たちの起こすドタバタは、観ていてほんとうにヒドイ!?いや、それこそが人間的???というよりイタリア的、なのかも。「私」の諸事情を丸ごと「公」に持ち込む、そのどっぷりぶりは、むしろすばらしい。


そして、美しい女性を見たらくどかずにいられないイタリアの男性には、結局イタリアの女性がいちばん弱いってこともよくわかったかもーーー(第一話。)ラテン的情熱?というか、恋すると人の話を聞かないイタリア男を、現実にさばいているイタリア女子とは!?一体どうなってんだー!!!思っていたけど、ほんとどっちもどっち。憎めないラブリーな国民である。


Yahoo!のレビューには、女性警官役の方の演技にかなり軍パイが上がっていたけど、同じマンションのイケメンキャスターとエレベータですれ違いざま、彼女の「オス!オス!オス!」には、かなり笑った。あほや。

2009/11/18

歓びを歌にのせて

公式サイト


おくりびとに続いて観たのは、音楽系で。
ちょっと前(と言っても4年前の2005年)スウェーデンの映画。
レンタルビデオショップで気になってたから。

舞台は、スウェーデンの北部。
最初の10分を流して観てたから、後でもう一回観直したけど、指揮者として成功した主人公が、体調を崩して生まれ故郷に戻ってくるところから始まる。
荒涼とした大地が延々と続いて、ひたすら雪景色。またもや、寒そう!

音楽以外に興味のなかった主人公が、やっぱり音楽を通じて、笑い、泣き、喜び、叫び、会話し、自分をさらけだし、誰かを理解し、誰かを受け入れて、そして少しずつ人間らしさを取り戻していく。その過程がメインで描かれるのだけど、彼が指揮をとることになる教会の聖歌隊を軸に、ちいさなコミュニティーの中での人間模様も見もの。それぞれのメンバーが抱えているあれこれが、少しずつ少しずつほどけていって、信頼という歌声になって響いていく。単純な音楽映画、というより、群集劇として成功してる気がした。


さて。
スェーデンのすてきな風景も堪能できる、この映画。

印象的だったのは、雪のシーンもそうだけど、冬の間に主人公のダニエルが自転車を買って、春の雪解けのころに練習するシーン!道にまだ雪が残ってて、それでもふらふらしながら、レナに手伝ってもらって練習してるのがすごい。わー!雪ででこぼこなのにまっすぐ走るのたいへん!って感じ。笑

私の育った東京は、既にコンクリートだった。土のにおいを知らない。自転車の練習も、コンクリートの上。ってことは、失敗してころぶとたいへん。でも、ダニエルの場合、ぼて!っと転んでも、雪。


でこぼこ道でまっすぐ走る練習をする、ころぶと雪!

コンクリートでまっすぐ走る練習をする、ころぶと固ッ!涙


どっちがいいかなー


そして、レナと自転車で遊びに行く、湖。あとで、家庭内暴力のダンナにぼろぼろにされてしまう湖。小さいころ、みんなで遊んだ湖。


そして、そして、競技会場への長い長い階段。あぁ、あと一歩!

スウェーデンの美しい風景とともに、人間の喜怒哀楽を堪能しました。

おくりびと

10月のオワリに観た。
というのも、10月27日に母方の祖父が他界したからで。

山形が設定。
寒そうー!

レトロな雰囲気の場面設定があちこち。
でも、室内撮影は、全般に、どうしても映画のセットだナーってわかってしまう感じ。仕方ないかな。

唯一、夫婦が暮らす家の前の川べりや、お葬儀に向かう風景、お葬儀の風景、主人公が川べりでチェロを演奏するシーンなんかがちらっと山形らしさ?を演出するくらい。まぁ、山形でなくてもいいじゃん?でも、まぁ、チェリストだった主人公が楽団をレイオフされて生地である片田舎へ、という演出には、広大な自然の残る山形がいいのかもしれない。

一昔前の、という設定なのと、どうしても描かれる内容が、街が舞台になりえなくて、そうゆう意味でのリアルさに欠けたような。惜しい!というか、映画ってどこまでウソつくか、どこまで創りこむか、難しい。
特に、街に関するコメントは少なめ。笑


脚本が、小山薫堂さんだというのは、少し驚き。J-WAVEとかに出てた、あの?あまりしめっぽい映画にしたくなかった、とのコメントがあったけど、伊丹十三さんの映画より、コミカルな感じに仕上がってて、そうゆう意味でも興味深い。人間模様、というより、職業気質にスポットがあたった感じかな。

自分が、奥さんの立場だったら、どうするかなー
やっぱり最初はびっくりして反対するんだろうなぁ。