2013/03/09

高崎旧井上房一郎邸 その2~アントニン・レーモンド自邸公認コピー作品~

その1 からつづきます。

内部の写真。


こちらが、井上氏お気に入り(入魂?)のリビングルーム。

中の家具は、コルビジェの事務所でも働いたことのあるレーモンド夫人作。
モダニズムぽい雰囲気で、かわいいです。
(ぽいってことはないですが。)

客間のようなイメージで使われたのかなと思います。
南側のPATIOからお客さんを招いたとか。

北側の天井付近の採光で、室内もかなり明るいです。


それにしても、このすてき空間を横切る白い空調BOX・・・
モトのレーモンド事務所でもあったんでしょうか・・・わかりません。
とにかく、やたら浮いてました。笑






レーモンドスタイル、と呼ばれる天井の納まり。
そして、ボルト留めされる梁。

もともとは、建築資材のなかった時期に、足場用の丸太を使って安く仕上げる手法だったそうですが。

この井上邸では、上質な木材と屋根材が使われているので、すごく上品に仕上がっています。
この辺りも、井上氏のこだわりだったのかも。


ちなみに、海を越えたイギリスのグラスゴー、マッキントッシュの作成したアートスクールでも、このように2本の梁ではさむ手法が真似されています。

15年かちょと前に現地を訪ねたとき、学生が行っている館内ツアーに参加したのですが、何しろ英語わからず。

有名な図書室の方ではなく、学生が集まるスペースの辺りで、「この2本の梁は、日本の影響をとても受けて、このようなスタイルになっています」というところだけ聞き取れました・・・orz

今思えば、このレーモンドスタイルの影響かと勝手に妄想してます。笑


窓の納まりも独特。
イチバン外側から、ガラス窓、障子、柱芯、です。



こちらは、PATIOをはさんで西側の生活スペース。
食事したり、普段のだんらんのスペースでしょうかね。

障子が入っているので、閉めれば中がのぞかれることもなし。
PATIO正面に植えられた竹がいい感じで眺められます。




以上が、和室スペース。
井上夫人がお茶をされていたそうで、床の間と炉もありました。

他は丸柱ですが、和室のところだけ角柱になっていたり。

あと、他の部分は一間ごとに柱を建てていますが、和室だけ柱の割り付けが違うそうです。

茶室仕様にしたからか?と言われているそうです。

天井は張らず、むき出し。

間仕切り用の扉と簡易な鴨居だけという、ちょっと不思議な雰囲気の和室でした。



こちらが、最後。

井上邸では、この先はお風呂だったかトイレです。(見学不可能)

要するに北側廊下、のプランですね。


図面があると説明しやすいのですが、北側に廊下が東西方向に走っていて、その廊下を境に南側に各部屋がある、といった感じでした。



この日はとても風が強くて、風が吹くたびにガラス戸が揺れてました・・・

高断熱、高気密な現在の家では感じられない風景。笑

和室以外は床がほぼ土間レベルであり、冬はかなり寒そうではありますが、間取り的には、全室南向きでとてもすてき。
こんなモダンな家に住めたらと思いますが、東西に広い敷地でないと、ちょと厳しいかな・・・



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